エメリは名将?迷将? 今だからこそエメリ期を語る

今だからこそエメリ期を語る アーセナル

今シーズンCLで躍進を遂げているビジャレアル率いるウナイ・エメリ監督。今シーズンのCLでユベントス、バイエルンを倒してベスト4までやってきて、惜しくもリヴァプールに負けてしまいましたが、名将という声も上がっています。そこで今だからこそアーセナルのエメリ期について取り上げて行きたい思います。(※これまでブログやYouTubeの方でも取り上げてこなかったのでこれを機に取り上げさせていただきました。)

ウナイ・エメリについて

アーセナルの監督に就任する前は主にバレンシア、セビージャ、PSGなどで監督を務めていました。セビージャ時代にはEL3連覇、その後ビジャレアルでもEL優勝を果たし、EL=エメリリーグと言わしめる、名将ぶりを発揮するも、PSG時代にはCLでバルセロナに逆転負けやモナコにリーグ優勝を譲るなど、どこかやらかしてしまう監督だというイメージがありました。

アーセナル就任

長期政権を築いたヴェンゲル監督の後任として、様々な監督の名前が挙がっていました。経験豊富なアンチェロッティ、ルイスエンリケ、将来性のあるヴィエラやナーゲルスマン、そして現監督のアルテタの名前もありました。そして最終的に選ばれたのがエメリ監督でした。様々な候補者と面談をしたということでしたが、その中で一番プレゼンテーションが素晴らしかったと言われていました。

エメリ監督の良かった点

若手の育成

やはり何と言ってもリーグアンのロリアンより獲得してきたゲンドゥージをはじめとして、ナイルズやウィロック、マルティネッリ、スミスロウ、サカと様々な若手をリーグ戦、ELで積極的に出場させてきました。特にゲンドゥージに関しては一気に市場価値をあげましたし、サカに関しては今のアーセナルにとって代えの効かない選手となっています。勿論ヘイルエンド組に関してはリュングベリの功績がかなり大きいと思いますが、リュングベリからの推薦を信じて積極的に起用したエメリの功績もまた大きいと思います。

ラカゼットとオーバメヤンコンビ

間違いなくこの二人のストライカーは素晴らしい選手達でした。エメリ期のこの二人はELよりもCLレベルの選手だったと思います。そして唯一、この二人の共存を成功させたのはエメリだったと思います。エジルやラムジーをトップ下に置いての2トップのフォーメーションで完全に共存させることに成功していました。ラムジーの怪我さえなければ、EL優勝やリーグ戦での4位獲得はできていたと思います。特に印象に残っているのはELのレンヌ戦やバレンシア戦での逆転劇の試合、オーバメヤンのブラックパンサーのセレブレーションです。あのシーズンの二人は本当にスーパーな選手でした。

柔軟なシステム変更

これは良かった点でもあり、悪かった点でもあります。エメリ自身、カメレオンのようなチームと例えることもありますが、まさしくその通りです。相手の戦術、試合の入り方に合わせて、フォーメーションを変更してきたり、ハーフタイムで2枚替えというのもよくあることでした。そんなこともあり、逆転勝利のイメージもかなりあります。アーセナル時代にも4-2-3-1、4-3-3、3-4-2-1、3-4-1-2など様々なフォーメーションを使っており、1つのシステムにこだわらないことがエメリの特徴であり、非常にカップ戦向きの戦い方だと思います。セビージャでEL3連覇を導いたのも頷けますし、CLで躍進しているのも驚きではありません。

エメリ監督の悪かった点

極端なシステム変更

上記の良かった点でも書きましたが、システム変更に関しては時折悪い点にもなります。それはハマらない試合の時はとことんハマらないことです。だからこそ逆転勝利もありますが、裏目に出て全くハマらないこともあります。それがELの決勝であったり、PSG時代ではバルセロナに逆転負けを食らったりという試合なんだと思います。グーナーにとってはそのカメレオンのようなスタイルが受け入れられなかったんだと思います。

チームの崩壊

何と言ってもよくなかったのは、クリスタルパレス戦でのジャカのキャプテンマーク投げ捨て事件です。チーム状況がよくなく、ファンからの怒りの矛先がジャカにかなり向いていたのは事実ですし、パフォーマンスが悪かったのもあると思いますが、ただあそこまでジャカだけが批判され続けたのは正直気の毒でした。勿論、ジャカのキャプテンマークを投げ捨てる行為、ファンを煽る行為はよくなかったのは事実です。ただエメリがずっと信頼し続けたジャカを試合後突き放す発言をして、より悪者にしたてあげた行動はよくありませんでした。エメリだけはジャカをサポートする必要があったと思います。そしてその後、サウサンプトン戦でラカゼットが劇的ゴールを決めるも、誰一人、喜ばなかった姿、あの時完全にチームが崩壊していたことが分かりました。

エメリ監督に同情すべきポイント

フロントとエメリの関係

正直あの時期のフロントはかなりゴタゴタしていました。イヴァンガジディスがミランへと去っていき、サンジェイが実質上のトップとなりました。しかし、サンジェイと揉めて、優秀だったミスリンタットが去っていきました。そんな中、エメリはクリスタルパレスのザハの獲得を希望していましたが、実際にはフロント主導でリールから二コラぺぺを獲得してきました。他にもラムジー、チェフ、コシェルニー、モンレアルと一気にベテラン陣を放出したりと、同情すべきポイントはたくさんありました。正直アーセナルがエメリに対して、しっかりサポートできていなかったのも事実だと思います。一時期噂になっていましたが、SDとしてモンチをフロントに連れてきていればもう少し状況は変わっていたのかもしれません。

まとめ

今回はエメリについて取り上げましたが、勿論エメリはアーセナルで成功したとは言えませんが、僕は名将だとは思っています。やはりEL3連覇の実績、そして今シーズンのCLでの躍進はそれに値すると思います。実際、アーセナルでもリーグ戦、EL共にあと1歩というところまではいきました。ただ個人的にはアーセナルのスタイルには合わなかったと思いますし、グーナーからも受け入れられなかったんだと思います。個人的にもつまらないと感じた試合は多かったですし、18-19シーズンの雰囲気は最悪のものでした。もし仮にもう一度エメリに監督を努めて欲しいかと言われれば全力で拒否をします。しかし、今回の記事でも書いたように、同情すべき点はいくつもありますし、何より長期政権を築いたヴェンゲル監督後という難しい仕事を引き受けてくれたことには感謝しかありません。そして若手を積極的に起用したことも今のアーセナルに繋がっていると思います。今シーズンビジャレアルのサポーターに夢を見させたことは間違いないと思います。エメリに関してはクラブの規模感を間違わなければ、しっかりとその実力を発揮すると思います。正直アーセナルの時は早く辞めてくれと思いましたが、今後のエメリの成功を願っています。

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